Aurelius Prudentius Clemens

概説

アウレリウス・プルデンティウス・クレメンス(348~410頃?)
初期キリスト教最大のラテン詩人。348年にイスパニアで生まれる。裕福なキリスト教徒の家庭に育ち、修辞学や古典文学を学んだ。アウグスティヌスやキプリアヌスらと同じく、放縦な青年時代を送ったらしい。弁護士を経てローマの政界で順調に出世し、皇帝テオドシウス(在位379~395年)の重臣として仕えたようである。50代になってから過去の世俗的な生活を捨てて詩作に没頭し、古典期の詩人たちの強い影響のもとに数々の優れたキリスト教詩を生み出した。

著作

『日々の賛歌(カテメリノン)』
日々の生活の中で用いられることを意図した賛歌、祈祷書。
プルデンティウスが57歳のときの作品で、その序文で自身の半生を回顧している。

『崇神(アポテオシス)』
キリストの神性と三位一体の正統教義を弁護した護教詩。

『罪悪の源(ハマルティゲニア)』
マルキオンの二元論的グノーシス主義を反駁した詩。

『シュンマクス駁論』
『栄光の冠(ペリステファノン)』

『霊魂をめぐる戦い(プシュコマキア)』
アレゴリー(寓意)的な叙事詩。