ポリュカルポス

Polycarp

概説

ポリュカルポスは、2世紀前半のスミルナの司教。使徒教父。
テルトゥリアヌスやエウセビオス、弟子であるエイレナイオスらによると、使徒ヨハネの教えを受け、彼によってスミルナの司教に任命されたという。
イグナティオスと親しい関係にあり、彼がローマで処刑されるために連行される際には、イグナティオスは自分の教会のことを託した手紙をポリュカルポスに宛てて書いている。ポリュカルポス自身も、〜帝治世下における迫害で殉教している。その次第は『ポリュカルポスの殉教』が詳しく伝えている。

著作

『ポリュカルポスの手紙』

ピリピ教会からの、イグナティオスの手紙を送ってほしいとの要請を受け、ポリュカルポスによって書かれたもの。この他にも多くの手紙を書いたようであるが、現存しているのはこの手紙のみである。
内容的には特にとりたてて言うべきものに乏しいが、新約聖書からの引用が非常に多いのが特徴で、逆に旧約聖書からの引用は非常に少ない。

『ポリュカルポスの殉教』

ポリュカルポスは86歳で殉教の死を遂げたが、これは彼の死後まもなくスミルナ教会によって書かれた殉教の記録である。キリストを呪うように迫る総督に対して、ポリュカルポスが言ったとされる以下の言葉は有名。

「私は86年間キリストに仕えてきましたが、彼は決して私に対して悪いことをしませんでした。どうして、私を救ってくださった私の主を冒涜することができましょうか」