Marcus Minucius Felix
概説
マルクス・ミヌキウス・フェリクス。3世紀初め頃に活躍したラテン護教家の一人。現存する最古のラテン語によるキリスト教の文献『オクタヴィウス』の著者。ラクタンティウスの『宗教要綱』やヒエロニムスの『著名者列伝』によると、北アフリカ出身でローマで弁護士として活動していたこと、『オクタヴィウス』の内容からして、相当の教養人であったらしいこと以外は、彼の素性については何も知られていない。
著作
『オクタヴィウス』
オクタヴィウス、ミヌキウス、カエキリウスの三人の友人間の対話形式で書かれた護教論。実際に行われたものではなく、キケロの著作から影響を受けた文学的な虚構と思われる。友人間の対話で始まり、異教徒のカエキリウスがキリスト教に改宗することで終わる。聖書の引用は少なく、他の教父たちや古典からの引用が多い