Hippolytus of Rome
生没年 | 170年頃?~235年頃 |
主な活動地域 | ローマ |
主著 | 『全異端駁論』『使徒伝承』『ノエトス駁論』等多数 |
概説
ヒッポリュトスは、三世紀前半に活躍したローマの対立教皇。
彼が活動したのはローマだが、著作はすべてギリシア語で著されており、西方においてギリシア語で著述した最後のキリスト教思想家である。文体や内容、その思考方法から推測されるに、東方の出身であると思われる。書誌学者でもあったコンスタンティノープル総主教フォティオス(820年〜897年)によれば、エイレナイオスの弟子であったという。
当時のローマ教会では大変に尊敬された人物で、ヒエロニムスの伝えるところによれば、ローマを訪れたオリゲネスもヒッポリュトスの説教を聴聞したという。
マクシミヌス帝(在位235~38年)の統治下にポンティアヌスとともにサルディニアの鉱山への流刑に処され、流刑後間もなく没する。
著作
『全異端駁論』
グノーシス異端に対する論駁書。初めに哲学諸派の学説を概観し、グノーシス異端の主張はすべてギリシア哲学からの盗用だと結論付ける。師であるエイレナイオスの著書『異端駁論』に負うところが大きい。
『ノエトス駁論』
サベリウス的異端の主張者であるノエトスの教説に対する駁論。
その他の著作
エウセビオスの『教会史』には、上記以外にも次のような著作の名が挙げられている。
『パスカについて』
『創造の六日間について』
『創造の六日間に続くものについて』
『マルキオンへの駁論』
『賛歌について』
『エゼキエル書の諸部分について』
『パスカについて』(前出の同名の著作とは違うものらしい)