アテナゴラス(アテネの)

アテネのアテナゴラス(Athenagoras)は、2世紀のキリスト教神学者であり、初期の護教家として知られている。彼はアテネ出身と考えられており、異教徒(非キリスト教徒)からキリスト教徒へと転じたとされている。

アテナゴラスは主に2つの著作で知られている。そのうちの1つは、『異教徒への請願』(または『哲学者たちへの請願』)と呼ばれるテキストであり、紀元177年頃にローマ皇帝マルクス・アウレリウスとルキウス・ウェルスに宛てて書かれた。この著作では、アテナゴラスはキリスト教徒がローマ帝国内で迫害される理由を説明し、キリスト教徒に対する不当な扱いに対して抗議している。彼はまた、キリスト教が異教徒の非難に対してどのように反論できるかを示し、キリスト教の教義と異教徒の哲学者たちの考えとの共通点を強調している。

もう1つの主要な著作は『復活について』というテキストであり、ここではアテナゴラスは肉体の復活と永遠の生命のキリスト教的教義を擁護している。彼は肉体の復活の可能性について哲学的な議論を展開し、キリスト教徒が信じる復活の教義を異教徒の批判に対抗して弁護している。

アテナゴラスの著作は、初期キリスト教護教家としての彼の立場を示すだけでなく、キリスト教と異教徒の哲学との対話の重要性を示している。彼の業績は、キリスト教が古代ローマ世界において知的に尊敬される宗教として成立する過程において重要な役割を果たしている。